大相撲を見ていると、たまに「タニマチ」という言葉を聞くことがあります。
よくよく考えてみると相撲以外の場面でも聞いたことがあるように感じます。
「タニマチ」は相撲界の隠語の1つで、ひいきにしてくれるお客さんや、後援者、個人スポンサーの存在です。
金銭的支援やモノの支援、サービスの支援など役割は多岐に渡ります。
よく聞く「ファンクラブ」などもある意味「タニマチ」の存在ではないでしょうか。
今回は、相撲界についての「タニマチ」の存在や語源、私でもタニマチになれるの?など情報をまとめてみました。
奇数月に開催される大相撲の見方が変わるかもしれませんね!
Contents
【大相撲タニマチの存在】なるには金額が必要。でも見返りを求めない心意気がかっこいい!
相撲の世界で聞く「タニマチ」とはどんな存在?語源はどこから?
「タニマチ」とはスポンサー的な存在の方々を意味します。
通称、「無償スポンサー」とも言われていて、金銭的な面などについてサポートをするが、見返りは基本的に求めないスタンス。
大相撲だけに限らず、運営し存在していくにはお金は必要です。
1年を通じて奇数月は大相撲が開催されます。
本場所や地方巡業なども含めて何場所も開かれます。
チケットの大量購入や集客などもタニマチの大きな存在の1つ。
もちろん、部屋の生活や運営における金銭的な支援、トラブル対応なども代表的な内容です。
タニマチはとてもかっこいい存在ですね。
「この人のためなら付いていきます」「支援します」という感じが伝わります。
ある意味、「タニマチ」の存在がないと各界が成立しないほどの存在ではないでしょうか。
そもそもの「タニマチ」の語源を調べてみると、明治時代のはるか昔から伝わっている「地名」からくる言葉でした。
明治の末ごろ、大阪市南区(現・中央区)の谷町筋に、「薄病院(すすきびょういん)」という外科の病院がありました。この医院の医師であった、薄 恕一(すすき じょいち)先生は、大変な相撲愛好家で、相撲取りからは治療代をとらず、力士たちから大変慕われたといいます。ここから相撲の支援者をタニマチというようになりました。薄医師は人情味あふれる人柄だったと伝わっており、「貧乏人は無料、生活できる人は薬代1日4銭、金持ちは2倍でも3倍でも払ってくれ」(出典:古賀市役所ホームページ)というような、まさに赤ひげ先生のような人だったといいます。
引用:せたがや日和より
今の時代、たとえ好意であったとしても、医療を無償で提供すれば、厚生局などから指摘が入りますし、そんなことはできない時代ですが、当時はファンの1人として力士を支えたいという純粋な気持ちがあったのでしょう。
私も聞いたり調べた限りなので、所説始まりの確信はわからないですが、当時は金銭よりも、怪我が絶えない力士達の体調管理という面の献身的サポートだったのかもしれませんね。
大阪府大阪市谷町から来る「タニマチ」。
そんな歴史があるなんて、ステキな呼び名だと思います。
◆タニマチのPoint
- タニマチは無償のスポンサーで、金銭をはじめあらゆる支援やサポートを手がける
- 本物のタニマチは見返りを求めない
相撲の「タニマチ」になるにはどんな条件があるの?
タニマチになる条件などを調べてみましたが、はっきりしたことは分かりませんでした。
ただ、調べた結果、自身の解釈として分かることは、条件というより、「お金をどのくらい必要な時に必要なだけ支援できるのか」の部分が強いのではないかと考えられます。
下記の記事は、2013年のLivedoor NEWSに掲載されていた、元大相撲力士の小錦さんの「タニマチ」についてのインタビュー記事です。
KONISHIKIは「当時のタニマチは半端じゃないんだよ。
金ある人は、お相撲取りと一緒に歩かないと金持ちじゃないっていうイメージがあった」と語り、「たとえば、向島の芸者がいる街。
貸切で一人の芸者呼ぶために幾らか分からないけど、10人くらい呼ぶのね。
食べる量は相撲さんに合わせてくれる。金額は半端じゃない。
若い衆と食事行くじゃないですか。70万かかる。
普通のタニマチは、相撲取りを一回連れて行ったら、ビビッて。
私たちは(そういうタニマチを)小皿っていうのね。びっくりして、二度と連れていかれない」というエピソードを披露。
過去に貰った一番高価なものを訊かれると、「キャッシュで・・・」と、指を2本伸ばしてみせた。その額はなんと2億円。
KONISHIKIは「(相手は)土地持ってる人。将来相撲界に残って、親方になるために、今のうちに親方株を買いなさいって」と話し、年寄名跡(年寄株)の売買に必要な資金提供を受けたことを告白。その2億円については、「僕が大阪から持って帰ってきました。三越の袋で」と笑って話した。
引用:Livedoor NEWSより
時代の違いはあるにせよ、言えるのは「資産が半端ではない存在」ということが分かりますよね。
若い衆との一度の食事で70万円オーバー。それに目がテンのタニマチは「小皿とは・・」。
桁違いの資産家であることには間違いなさそうですね。
ただ、個人的には豪遊や自身の箔を付けるためのタニマチの存在よりも、例え少額でも必要な時に支援してくれて、見返り無しのタニマチの存在の方が、長く互いに支え合えるような気はします。
とは言え、お金がなければ勝負の世界で勝っていけない、残っていけないこともあるので、複雑ですね・・。
◆多額の資金を支援するタニマチのメリットは
- 有名で強い力士と親しい関係を世間にアピールすることができる
力士に限らず、有名人や芸能人が使ってくれるサービスやモノには、とても多くの注目が集まりますよね。
無償スポンサー的な存在と言え、経済的にはとても貢献している面もあるような気がします。
最近では、一般人でもタニマチになれる!
上記で解説してきた「タニマチ」は限られた雲の上の超資産家です。
きっと自身のスマホに互いの電話番号が登録されているほどの距離なのではないでしょうか。
しかし、最近の大相撲の世界も以前に比べると、少しずつだけどクリーンで明るいイメージを作ろうと努力されている様子が分かります。
タニマチ会員になってサポートする
タニマチになる1つの方法として、日本大相撲の公式サイトを見ると、「タニマチ会員」というサービスがあります。
月額500円程度のタニマチ会員になると、スマートフォンアプリを通じて、様々なコンテンツを楽しんだり、情報を入手するができるサービスを利用できます。
これも1つの立派なタニマチの存在です。
超資産家のタニマチの存在も大切ですが、より多くの相撲ファンがタニマチ会員になると、とても大きな存在になりますからね。
直接的な支援はできないとしても、間接的に支援してると考えれば立派にあなたも「タニマチ」なのでは?
自分の応援したい部屋の後援会に参加する
先述からの「超資産家のタニマチ」は氷山の一角である意味個人的なスポンサー的存在。
私のような一般人よりやや下の人でも、応援したい部屋の「後援会」に入ることで、間接的に支援している1人となれます。
相撲界だけに限らず、芸能界やスポーツ業界でもファンクラブってありますよね。
メンバーの活動資金の一部として活用していただけるとありがたいものです。
後援会に入ると、部屋によっては、稽古場の見学だったり、各種イベントの案内やパーティーなど様々な特典が付いているので、応援したい力士がいるようなら支援してみるのもいいかもしれませんね。
特に相撲の知識や好きさ加減が低くても、講演会には入れるので安心しましょう!
年会費も15000円前後~とかで、部屋によってバラバラです。
2020年末時点の部屋一覧をまとめてみましたので、気になるお部屋がありましたらチェックしてみましょう!
◆大相撲一門・部屋一覧 (2020年12月時点)
◆出羽海一門 | ◆二所ノ関一門 | ◆時津風一門 | ◆高砂一門 | ◆伊勢ヶ濱一門 |
出羽海部屋
境川部屋 尾上部屋 木瀬部屋 二子山部屋 |
大嶽部屋 | 時津風部屋
鏡山部屋 |
高砂部屋 | 伊勢ヶ濱部屋 |
テレビに映るかなりいい場所など、普通では中々取れないチケットも、もしかして近い存在になるかもしれませんね。
毎日、大相撲中継を観てると、どうしてもこの女性が気になってくる。
正座で常に姿勢良く、取り組み中は微動だにしない。服装といい、バッグといい、タダモノじゃないな(*´-`)
一体何者なんだろう。 pic.twitter.com/AoN4eWexms
— ガゴゼ (@gagoze2010) January 21, 2021
【大相撲タニマチの存在】なるには金額が必要。でも見返りを求めない心意気がかっこいい!まとめ
個人スポンサーの「タニマチ」の存在。
私のような一般庶民には想像を超える世界であり、知らない方が良い世界なのかもしれません。
ただ、1人のファンとしてファンクラブに入ったり、後援会に入ったりして間接的な貢献は可能です。
相撲に限らず、好きなアーティストや選手などを応援してみては如何でしょうか。
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